軽自動車規格でありながら本格的なミッドシップ・スポーツカーとして根強い人気を誇るホンダ「S660」。2022年に生産終了となった今も、中古車市場では高い評価を集めていますが、いざ購入や売却を検討すると気になるのがS660のリセールです。

この記事では、S660のグレード・年式別のリセール傾向から、購入時に意識したいポイント、そして少しでも高く売却するためのコツまで、中古車売買のプロの視点でわかりやすく解説していきます。S660の購入や売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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S600とは

ホンダが2015年に発売した軽自動車規格の2シーターオープンスポーツカーです。ミッドシップレイアウトを採用しており、軽自動車ならではのコンパクトボディ・軽量な車体を活かしたキビキビとした走りが特徴です。

6速MTとCVTが用意され、「β」「α」を中心に上級仕様の「Modulo X」もラインナップされました。2022年に生産終了したものの、独自のスタイルと本格的なスポーツカーとしての走行性能から、現在も中古車市場で高い人気を維持しているモデルです。

グレードと年式別に見るS600のリセール率

S660のリセールを左右する要因のひとつが、年式とグレードです。所有期間中にどれほどの価値が残るかは、将来的な資産価値に直結します。リセールバリューとは、購入した車を売却する際にどれだけ価値が残っているかを示す指標です。

例えば新車を100万円で購入し、3年後に80万円で売却できた場合、リセール率は80%となります。ここでは年式やグレード別に、S660のリセール率を詳しく紹介します。

2022年式(4年落ち) 

グレード名シフト新車価格買取価格残価率
α6MT203万円257万円127%
Modulo X バージョンZ315万円322万円102%
※走行距離は5千km~6万km以下

4年落ちのS660は、6MTモデルが新車価格を上回る非常に高い残価率を記録しています。

「α 6MT」は127%、「Modulo X バージョンZ 6MT」も102%と、いずれも新車価格を超える水準です。

生産終了によって新車での入手が不可能になったことに加え、流通台数も少ない高年式のMT車には強い需要があることがうかがえます。

2021年式(5年落ち) 

グレード名シフト新車価格買取価格残価率
aCVT232万円198万円85.3%
β6MT203万円191万円94.0%
a232万円234万円101%
Modulo X304万円296万円97.4%
Modulo X バージョンZ315万円318万円101%
※走行距離は1万km~7万km以下

5年落ちでも6MTモデルの残価率の高さが際立ちます。

「α 6MT」は101%、「Modulo X バージョンZ 6MT」も101%と新車価格を上回り、「Modulo X 6MT」97.4%、「β 6MT」94.0%も高水準です。

一方CVTの「α」は85.3%にとどまり、同じグレードでもトランスミッションの違いがリセールに大きく影響していることがわかります。

生産終了に伴う流通台数の減少も、MTモデルの資産価値を後押ししていると考えられます。

2018年式(8年落ち) 

グレード名シフト新車価格買取価格残価率
αCVT219万円130万円59.4%
α6MT219万円173万円79.0%
Modulo X285万円234万円82.1%
※走行距離は3万km~10万km以下

8年落ちになると、CVTの「α」は59.4%まで下落する一方、「α 6MT」は79.0%、「Modulo X 6MT」は82.1%と高い残価率を維持しています。専用エアロや足回りを備えたModulo Xの希少性に加え、6MTという組み合わせが中古車市場での人気を支えています。新車価格285万円と高額な「Modulo X 6MT」が234万円で取引されている点も、年式が古くなってもMTモデルは値落ちしにくいことを示しています。

2016年式(10年落ち) 

グレード名シフト新車価格買取価格残価率
αCVT218万円116万円53.2%
β6MT198万円141万円71.2%
α218万円141万円64.6%
※走行距離は5万km~13万km以下

10年落ちのS660は、「α CVT」53.2%、「α 6MT」64.6%、「β 6MT」71.2%と、いずれも半分以上の残価率を維持しています。一般的に10年落ちの車は大きく価値が下がるケースが多いなか、この水準は非常に高いといえます。

6MTの強さは4年落ち以降一貫しており、走行距離や車両状態が良好な個体ほど高値を狙いやすい傾向があります。

おすすめのグレードは?

リセールを重視するなら、S660では「α 6MT」がおすすめです。4年落ちで127%、5年落ちでも101%と新車価格を上回り、8年落ちでも79.0%、10年落ちでも64.6%と、年式が進んでもMTモデルのリセールの強さが際立ちます。

さらに希少性を重視するなら「Modulo X」系の6MTも有力候補です。専用エアロや専用サスペンションを備えた上位モデルとしての希少性が評価されており、5年落ちの「Modulo X バージョンZ 6MT」は101%を記録しています。生産台数が約39,000台と限られるS660は、今後も希少性が高まる可能性が高いモデルです。

S660のリセールが伸び悩む理由

ここまで見てきたようにS660は高いリセールを維持していますが、グレードやトランスミッションの選び方によっては評価が伸び悩むケースもあります。

特にCVTモデルは6MTと比べて残価率が10〜40%ほど低くなる傾向があり、標準的な「α CVT」「β CVT」は中古車市場での評価がやや控えめです。ボディカラーやオプションの組み合わせによっても購入層が変わるため、将来の売却まで見据えるなら仕様選びが重要なポイントになります。

購入時に意識するべきポイント

少しでもリセールバリューを上げたい方は、以下のようなことを意識することが大切です。

6MTモデルを選ぶ

S660でリセールを重視するなら、まず意識したいのが6MTを選ぶことです。
同じ「α」で比較すると、5年落ちはCVT85.3%に対し6MT101%、8年落ちはCVT59.4%に対し6MT79.0%、10年落ちでもCVT53.2%、6MT64.6%と、いずれの年式でもMTのほうが高い残価率を維持しています。MR×6MTの仕様は運転好きからの需要が根強く、将来の売却まで考えるなら6MTを選んでおくことがリセール面でも有利です。

希少性の高いグレードを選ぶ

S660では、標準グレードだけでなくModulo XやModulo X バージョンZにも注目したいところです。専用のエアロパーツや足回りを備えたModulo Xは通常のα・βとは異なる魅力を持ち、5年落ちの「Modulo X 6MT」97.4%、「Modulo X バージョンZ 6MT」101%と高い水準を維持しています。

S660は生産終了によって今後同じ仕様の車両が増えることはなく、台数が限られる特別仕様車ほど状態の良い個体が評価されやすい傾向にあります。購入価格も高くなりやすいため、残価率と差額のバランスを見て選ぶことが重要です。

カスタムは純正パーツを残しておく

S660はカスタムを楽しむユーザーも多い車ですが、将来の売却を考えるなら純正パーツを残しておくことをおすすめします。マフラーや車高調、ホイールなどの社外パーツが装着された車両は好みが分かれやすく、購入者が限定される可能性があります。純正状態に近い車両であれば幅広い購入者に提案しやすく、査定時にも扱いやすいでしょう。取り外した純正パーツを保管しておけば、売却前に純正状態へ戻すという選択肢も残せます。

高値で売却するには

S660は生産終了による希少性があり、一般的な軽自動車とは異なる相場を形成しています。

売却時にはS660の価値を正しく評価できる業者を選ぶことが重要です。6MT、Modulo X、限定車、純正オプションといったS660ならではの付加価値を評価できる業者に査定してもらうことが、高値売却のポイントになります。一般的な軽自動車として査定する業者とスポーツカー専門の業者とでは金額に差が出ることもあるため、1社だけで判断せず複数の買取店に査定を依頼し、価格を比較するとよいでしょう。

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まとめ

S660は、軽自動車ながらMRを採用した本格的な2シータースポーツカーです。

2022年3月の生産終了により新車では購入できず、希少性の高さがS660のリセールを支える大きな要因となっています。今回のデータでも6MTモデルの強さは際立っており、4年落ちの「α 6MT」は127%、5年落ちでも101%と新車価格を上回り、8年落ち・10年落ちでも高い水準を維持しています。購入時は6MTやModulo Xといった人気仕様、状態の良い個体を選ぶことがポイントです。今回の記事が、S660の購入・売却を検討している方の参考になれば幸いです。

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