トヨタの誇るスポーツカー「スープラ」は、1978年に初代が登場して以来、世界中のクルマ好きから愛され続けてきた名車です。GTカーとしての快適性と、直列6気筒エンジンが生み出すパフォーマンスを兼ね備え、各世代ごとに独自の進化を遂げてきました。とくに90年代の「A80型」は映画やモータースポーツで一躍有名となり、現在でも伝説的存在として語り継がれています。そして2019年、BMWとの共同開発によって最新の「GRスープラ(A90型)」が復活しました。今回はそんな歴代スープラの軌跡を、各世代の特徴や魅力とともに振り返っていきます。
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歴代スープラ【初代~5代目】

初代スープラから5代目スープラを紹介していきます。
初代スープラ(日本名:セリカXX)A40型・A50型 1978年~1981年
トヨタのフラッグシップスポーツカー「スープラ」は、北米で人気を博していた日産フェアレディZに対抗する形で開発が始まりました。北米トヨタのディーラーによる調査で、6気筒エンジンを搭載したスポーツカーの需要が高いと判明し、そのニーズに応えるべく誕生したのです。1977年の東京モーターショーで初披露された初代スープラ(日本名:セリカXX)は、1978年に販売を開始しました。2代目セリカをベースにホイールベースと全長を延ばし、直列6気筒エンジンとFRレイアウトを採用しました。なお、アメリカでは「XX」が成人向けの意味合いを持つため、ラテン語で「超越」などを意味する「スープラ」が車名に選ばれました。ラグジュアリーさを強調したデザインには角型4灯ヘッドライトやT字フロントグリルが採用され、2.0Lエンジンは最高出力123馬力を発揮します。1980年の改良ではリアサスペンションが独立懸架式に変更され、走行性能の向上が図られました。
2代目 スープラ(日本名:セリカXX)A60型 1981年~1986年
1981年7月にスープラはフルモデルチェンジを受け、2代目となるA60型(日本名:セリカXX)が登場しました。同時期に発売されたソアラが高級路線を担うことになり、2代目スープラはスポーツカーとしての性能向上に専念することができました。ベース車両は「セリカ リフトバック」で、ワイドなボディとリトラクタブルヘッドライトを採用し、ヘッドレスト一体型のバケットシートなどにより個性を際立たせています。フラッグシップモデルの2800GTには、当時としては非常に高性能な2.8L直列6気筒DOHCエンジン「5M-GEU型」を搭載しました。トランスミッションには5速MTのほか、電子制御の4速AT(ETC-S)も用意され、全車にパワーステアリングやデジタルメーターを標準装備するなど、先進的な装備も魅力です。加速性能は0-100km/hを9.8秒、最高速度は200km/hを超えており、走りの性能も申し分ありません。1982年にはターボ仕様車や2,000GTが追加され、1983年のマイナーチェンジではバンパーやテールレンズのデザインを変更し、より洗練されたスタイルへと進化しました。
3代目 スープラ A70型 1986年~1993年
1986年2月にフルモデルチェンジを受けて登場した3代目スープラは、それまで日本国内で使われていた「セリカXX」という名称を廃止し、「スープラ」に統一されました。発売時のキャッチコピーは「TOYOTA 3000 GT」で、名車2000GTを意識したものです。発売から4ヶ月後には、脱着式ルーフを備えたエアロトップもラインナップに加わりました。「ナナマルスープラ」の愛称で親しまれる3代目モデルは、視認性の高いデジタルメーターや横L字型インパネ、調整機構を強化したフロントシートなど、装備面でも先進的でした。搭載される3.0Lターボエンジンは力強く、5速MTと電子制御4速ATのいずれかを選択可能です。足回りには4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用し、電子制御サスペンション「TEMS」や挙動安定制御システムも導入されました。1987年にはブリスターフェンダーを備えた「3.0GTリミテッド」、1988年にはワイドボディ化とエクステリアの変更、1989年には装備を簡素化した「3.0GTターボS」が追加されました。1990年には最高出力280PSを誇る1JZ-GTE型エンジンを搭載した「2.5GT」が登場し、走行性能をさらに高めました。
4代目 スープラ A80型 1993年~2002年
1993年5月に発売された4代目スープラは、「ハチマルスープラ」の愛称で親しまれ、現在でも中古車市場で根強い人気を誇るモデルです。キャッチコピーには「THE SPORTS OF TOYOTA」が採用され、ラグジュアリーではなく純粋なスポーツカーとしての印象を強めたいというトヨタの意志が込められていました。先代に比べてボディは大幅に見直され、フェンダーをワイド化して全幅は1,810mmに拡大、全高は25mm低く、全長とオーバーハングは短縮され、運動性能が向上しています。また、燃料タンクをトランク下に配置することで前後重量配分を最適化し、エアロパーツの充実によって空気抵抗係数(Cd値)は0.30という当時としては世界最高レベルを達成しました。トランスミッションはゲトラグ社と共同開発した6速MTを主軸に、電子制御4速ATも用意されました。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式で、「SZ-R」にはビルシュタイン製ショックアブソーバーを標準装備し、高速域での安定性を高めています。最高出力は280PS、0-100km/h加速は4.6秒を実現し、世界中のクルマ好きから高く評価されました。安全性や性能向上を目的に複数回の改良が行われましたが、2000年に導入された排出ガス規制に対応できず、2002年に惜しまれつつ生産を終了しました。
5代目 スープラ DB型 2019年~2026年春 生産終了予定
A80型スープラの販売終了から17年を経た2019年5月、トヨタはBMW「Z4」と共同開発を行った新型スープラ(DB型)を発売しました。両車は同じプラットフォームを共有していますが、サスペンションやエンジンのチューニングに違いがあり、乗り味はまったく異なっています。新型はトヨタのスポーツブランド「GR」の専売車種であり、従来モデルと区別する意味でも「GRスープラ」の名称で展開されています。伝統の「直列6気筒エンジン+FRレイアウト」を受け継ぎつつ、ハイブリッド化はボディの大型化を避けるために見送られました。全長4,380mm、全幅1,865mm、全高1,290mmのボディに、ヴィッツより短い2,470mmのショートホイールベースを採用し、軽快なハンドリングを実現。騒音規制への対応として開発されたマフラーはBMWにも採用され、スポーツカーらしいサウンドも楽しめます。こうして誕生したGRスープラは、内燃機関の魅力を最大限に引き出した1台ですが、トヨタは2025年4月、同モデルの生産を2026年春に終了すると発表しました。約7年間のモデルライフに幕を下ろすことになります。
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まとめ

スープラは1978年の初代モデル誕生以来、トヨタを代表するスポーツカーとして常に進化を遂げてきました。直列6気筒エンジンやFRレイアウトといった伝統を守りながらも、時代に応じた性能やデザインを取り入れることで、多くのファンを魅了し続けてきました。とくにA80型の人気は今なお高く、GRスープラでは最新技術と走る楽しさを融合させています。2026年春の生産終了をもって、スープラは再び一区切りを迎えることになりますが、その存在はこれからも多くの人の記憶に刻まれ続けることでしょう。
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引用・参考
