査定士はここを見る!もと業界人が明かす中古車買取査定のポイント

車を売るために買取査定をお願いしたいけど、前もって何を準備したら良いか迷いませんか?買取店の査定士は、車の状態と売却時期を見ています。売却時期は早ければ早い方が高価買取されやすいです。

査定の際のポイントを押さえておくことで、最高の査定額を出せる可能性があります。中古車買取の仕組みを知り、事前にできる限りの準備をしてから査定に挑みましょう。

中古車買取査定の基本的な仕組み

中古車の査定額を出すのに買取業者は車専門のオークションサイトを見て、近々の取引実績を参考にしています。

基本的に見ている項目としては5点です。

車種

年式

グレード

走行距離

ボディカラー

一般の人がネットで調べても大体の相場を確認できますが、専門の業者しか見られないオークションサイトを見ることで、より同じ条件の車の取引実績が見られます。なぜなら同じ種類の車だとしても、乗っている人や住んでいる地域が違うので状態が違うためです。

また、中古車の相場は日々変動しており、最新の情報と変動率を見た上で売却時期から逆算して価格を出します。そのため、業者からすると手放す時期が早ければ早いほど相場の変動が少なく判断しやすいので、より高価買取をしやすいのです。

例えば、現在の取引が100万円で、1ヶ月前は110万円で取引されていた場合、売却時期が1ヶ月後の場合は90万円を下回る程度の査定額が提示されます。即日の売却だと90万円〜100万円の間で交渉可能です。ざっくりとした例ですが、イメージとしてはこのように価格設定をされていくので売却時期がポイントになってきます。

同じ車種や年式走行距離でも価格が違う理由

同じ車種・年式・走行距離でも価格が大幅に違う理由は、内装外装どちらも状態を確認するためです。詳しく解説します。

修復歴の有無

修復歴の有無というのは、簡単にいうと事故歴の有無です。この基準は車の骨格部分まで損傷が有るか無いかが判断基準になります。

大きな損傷があってパーツを交換していたとしても、骨格部分まで損傷がなければ修復歴ありではなく修復歴なしとなります。逆に、少ししか損傷していないけど骨格部分が曲がってしまっている場合は修復歴ありです。

言わなきゃバレないと思わず、正直に言ってしっかり見てもらいましょう。事故車だと思っていても、ちゃんと確認したら修復歴なしだったということもある為です。

内外装の状態の良さ

内外装の状態も判断基準になります。外装の浅い傷であれば、コンパウンドを使って簡単に直すことができますが、深い傷や大きな傷は板金塗装が必要です。場合によっては部品の交換になってくるので、買い取ってから手直しが必要だと判断されると査定金額が減額される可能性があります。

内装の取れない臭いや汚れは、評価が低くなるポイントです。特にタバコの臭いやペットの臭いは取れないので、内装が綺麗だとしても低評価になってしまいます。逆に汚れはあるものの、汚れが取れて臭いがなければそれほど心配する必要はありません。

査定士が特に注意するポイント

買取査定で、基本情報以外に査定士が特に注意するポイントがあります。該当のものがあれば査定の際に査定士に伝えると、査定士も見るポイントを絞りやすくなるのでより的確な査定が短時間で可能です。

電装品の作動

査定の際は必ずエンジンをかけます。

チェックランプがついていないか

スマートキーは作動しているのか

窓は開くのか(サンルーフ含む)

ナビは作動し最新のものが入っているのか

ETCは使えるのか

ウインカーやハザードは使えるのか

ワイパーは動くか

バックカメラはあるのか

などひとつひとつ作動確認していきます。

メーカーオプションで人気のものが装備されていればプラスになる可能性があるので、こだわってつけたものがあれば伝えましょう。メーカーオプションの有無だけで10万円前後査定額が変わることもよくある話です。

ラゲッジ(トランク)のカーペット裏

一般的に事故車と言われている車は修復歴ありの車です。修復歴ありの車と修復歴なしの車では査定額に差が出るので、修復歴があるかどうかを細かく確認していきます。

トランクフロアの交換をしている場合、修復歴車に該当します。トランクのカーペットをめくるとトランクフロアが出てきますが、交換していると塗装のヨレや接合部分が他の部位とは違い新しくなっているので交換したことがわかります。

ワンオーナーであれば自分が事故したことを覚えていると思いますが、2オーナー以上の場合は情報が不確かなので、査定ミスがないようにより細かい査定が必須です。

サイドシルなどの溶接

ドアを開けるとゴムで縁が覆われている部分があり、査定ではそのゴムを剥がして確認します。中の接合部分を見ることで、溶接が最初の組み立ての過程でできたものか、使用過程で後から溶接したものかわかるので、すべての扉を確認します。新しくなっていれば、修復歴がある可能性が高いためです。

骨格部分に影響がなければ修復歴ありにならない車なので、2オーナーさん以上だと修理で交換した部分を知らずに購入していることも少なくありません。

車内の臭いやシートの状態

ペットの臭いやタバコの臭いはなかなか消えません。中古車として販売される際にも、車内の臭いはもっとも敬遠されるポイントです。そのため、臭いのひどいものに関しては、いくら内装が綺麗でももっとも低い評価になります。

シートの状態も重要で、シートのヨレや穴、落ちないシミ、ペットの毛が取れないような状態ではないかなどは細かくチェックされるポイントです。取れる程度のものなら評価はそこまで下がりませんが、前もって綺麗にしておくほうが評価されやすくなります。

天井部分の内張りが剥がれていないかも査定に影響するポイントです。内張りの修理費用は高額になりがちのため、評価は低くなります。炎天下に停めていることが多いと剥がれやすいので、日頃から保管場所は考えましょう。

純正品の有無

社外品のパーツよりも純正品がある方が一般的に高くなるため、社外品を取りつけている場合は、純正品を用意しておくとプラスの評価になります。社外品だからといって、外す必要はありません。純正品があれば準備しておくだけで大丈夫です。

中古車の買取価格をアップさせるポイント

買取金額をアップさせるには、とにかく売却時期が早くすることです。なぜ早い方が良いのかを買取業者の仕組みを交えつつ解説します。

買取業者の仕組みを理解する

出張買取であれば、査定ができる営業マンが査定士をやっています。査定士に決裁権はなく会社側に決裁権がある仕組みになっているので、査定士がもっている情報は、このくらいの金額で買い取って来てくださいという指示のみです。

そのため、査定士自身も会社に価格の交渉をします。査定士がなぜいるかというと、売却時期を早めつつ即決できる金額を依頼主と話あうためです。売却時期が早くなれば、多少高くても査定士が会社と交渉するので高価買取に繋がります。

このような仕組みになっている理由は、会社側が近々で行われたオークション相場を見て価格を判断し、売却時期を逆算して金額を提示する為です。手放す時期が早ければ早いほど高い価格を提示しやすく、逆に遅くなればなるほど無難な金額になってしまいます。

中古車市場は価格の上がり下がりが激しいので、1週間で相場がガクッと下がることも少なくありません。モデルチェンジの発表や不正などの事件が発覚後は大打撃です。

依頼主の交渉の仕方

依頼主が一番良い交渉の仕方は、必要書類をすべて事前に揃えておいて、最初に提示された金額よりも少し高めの額を希望金額にし、その金額なら即日売却OKの状態にしておくことです。

出張買取であれば、何社か同時に呼んでも問題ありません。査定士にも管轄があり査定士同士顔見知りであることがほとんどです。お互いに探りを入れる会話はしますが、査定をしながら合っているかお互いに確認したりするので査定ミスの防止に繋がります。何社も呼ぶと何回も同じことを聞かれて大変ですが、最低でも2社は呼んだ方が無難です。

まとめ

中古車を高く売るポイントは、とにかく手放す時期を早めにすることです。現状の車を最大限に生かすには、洗車をして見やすいように綺麗しておくことと、車検証や整備記録があればまとめておきましょう。ワンオーナーであれば評価が上がるので、定期点検の記録は必須です。

必要書類に関しては、車検証の名義と売主などによって若干必要書類が異なってくるので、査定士に直接聞いても問題ありません。車の引き取りが即日で書類のみ後日でも対応してくれます。

愛着のある車を手放すのは名残惜しいですが、売却時期を確実に決めて一番いい金額を叩き出してもらいましょう。