自動車の維持費は月々いくら?内訳や節約のポイントを解説! 

自動車を持っていれば、買い物や通勤の移動を楽にできるだけでなく家族や友人とのお出かけなど、日々の生活がより豊かなものになります。しかし、自動車は安い買い物ではないのはもちろん、自家用車として所有していくためには多くの維持費がかかるため、購入に二の足を踏んでいる方も少なくないのではないでしょうか。そこで、本記事では自動車を所有していく上で避けることができない維持費について、軽自動車、小型自動車、普通自動車ごとに紹介し、維持費を抑えるポイントについても解説していきます。自動車は欲しいけど維持費が心配な方だけじゃなく、今乗っている自家用車の維持費を抑えたい方もぜひ参考にしてください。 

自動車を購入すると維持費はいくらになる? 

自動車を所有するためには、車両自体の購入金額以外に維持していくための費用が必要です。また、ガソリン代や車検、また予期せぬ修理や交換などの費用が発生することもあります。 

自動車の維持費は月々いくらかかるのか?3ナンバーと5ナンバー、軽自動車それぞれの内訳や節約のポイントについて解説していきます。 

月々の平均維持費(普通自動車) 

普通自動車とは、いわゆる「3ナンバー」に該当する車のことです。全長4.7m以上、全幅1.7m以上、全高2.0m以上、エンジンの排気量2,000cc以上のものが普通自動車に該当し、ボディが大きくなるためミニバンやセダンであれば余裕のある室内空間を確保しやすく、スポーツカーであればより迫力のあるスタイリングを実現しやすくなります。 

下記表は大型のミニバン(普通自動車)の年間維持費の一例です。 

項目 Lクラスミニバン (普通車 2.5L) 
自動車税 43,500円 
自動車重量税 16,400円 
自賠責保険料 12,806円 
任意保険料 90,000円 
車検代 25,470円 
メンテナンス費用 20,000円 
ガソリン代 167,000円 
駐車場代 144,000円 
合計 519,176円 
月平均 43,265円 
※上記の自動車税は2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた乗用車の場合
※ガソリン代は2023年7月時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)167円、平均燃費10km/L、走行距離10,000kmで算出
※車検代は東京都大手カー用品店の車検料金の平均値を元に1年分として算出 

1年間の合計は合計519,176円となり、月平均に換算すると43,265円かかる計算になります。加入する保険や、メンテナンスの部品によって金額は異なり、車の維持費や燃費、高速料金など金銭面での負担は乗用車の中で一番大きくなります。 

月々の平均維持費(小型自動車)  

軽自動車より大きく、普通自動車より小さいサイズで、いわゆる5ナンバーと呼ばれている乗用車です。全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下、エンジンの排気量が660ccより大きく2,000cc未満のものが該当します。 

道幅が広くない市街地での取り回し性がよく運転がしやすいことに加え、比較的排気量が小さいため自動車税を抑えつつ省燃費性能にも優れているのが大きな特徴です。一定以上の室内空間と、余裕のあるエンジンパワーを併せ持ち、バランスの取れた車種といえます。 

下記表はコンパクトカー(小型自動車)の年間維持費の一例です。 

項目 コンパクトカー (普通車 1.5L) 
自動車税 30,500円 
自動車重量税 16,400円 
自賠責保険料 12,806円 
任意保険料 85,000円 
車検代 25,343円 
メンテナンス費用 18,000円 
ガソリン代 111,333円 
駐車場代 144,000円 
合計 443,382円 
月平均 36,949円 
※上記の自動車税は2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた乗用車の場合 
※ガソリン代は2023年7月時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)167円、平均燃費15km/L、走行距離10,000kmで算出
※車検代は東京都大手カー用品店の車検料金の平均値を元に1年分として算出

 

合計443,382円、月平均に換算すると36,949円かかる計算になり、普通自動車と比較した場合、月額で約7,000円程度差があります。この差が生まれるもっとも大きな要因として考えられるのは、返金燃費15km/Lと仮定した燃費です。また、燃費による維持費の差は、省燃費性能が上がれば上がるほど大きくなります。維持費を抑えるためには、燃費の良い車種を選ぶことが効果的です。 

月々の平均維持費(軽自動車)

軽自動車は日本独自の規格で、乗用車の中でもっとも小さな車種です。全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下、エンジンの排気量が660cc以下の車が該当します。 

軽自動車はエンジンの排気量が小さく、一般的な軽自動車で20km/L以上という燃費性能を誇る軽自動車も少なくありません。また、車体もコンパクトなので、狭い道での運転も楽に行えます。ただし、乗車定員は4名以下に制限され、車内空間にも余裕がないため、4人家族で使う場合には手狭に感じるかもしれません。 

項目  
軽自動車税 10,800円 
自動車重量税 12,300円 
自賠責保険料 12,422円 
任意保険料 80,000円 
車検代 25,019円 
メンテナンス費用 15,000円 
ガソリン代 83,500円 
駐車場代 144,000円 
合計 383,041円 
月平均 31,920円 
※上記の自動車税は2015年4月1日以降に初回新規検査を受けた軽自動車の場合
※ガソリン代は2023年7月時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)167円、平均燃費20km/L、走行距離10,000kmで算出
※車検代は東京都大手カー用品店の車検料金の平均値を元に1年分として算出

合計383,041円、月平均に換算すると31,920円かかる計算になり、小型車よりもさらに費用が抑えられることがわかります。大人数で使用することがあまりなく近場の移動が多い方は、軽自動車がおすすめです。 

自動車の維持費の内訳は? 

自家用車を所有していく上で、維持費は避けることができません。先述した維持費のシミュレーションでもわかる通り、購入する車の種類や燃料の種類によって維持費は大きく異なるため、維持費を意識するのであれば車選びは大切なポイントです。 

そこで、維持費にかかわるそれぞれの項目について、その内訳を解説していきます。 

税金類 

車には様々な税金がかかってきますが、以下の4種類に分けられます。 

  • 自動車税 / 軽自動車税 
  • 自動車重量税 
  • 環境性能割 
  • 消費税 

自動車税 / 軽自動車税 

自動車税 / 軽自動車税は、毎年4月1日時点で車を所有していると発生する税金です。車種や排気量、用途、所有年数により納税額は異なります。 

注意したい点としては新規登録から11年以上経過したディーゼル車および13年以上経過したガソリン車、LPガス車は重課されることです。なおハイブリッド車は重課対象外となっています。 

自動車重量税 

自動車重量税は、その名のとおり自動車の重さによって課される税金ですが、軽自動車の場合は車両の重さに関わらず定額です。新規登録時と車検の際に有効期間分をまとめて支払います。13年以上・18年以上の経過のタイミングで重課される点には注意が必要です。 

また、2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた自家用車は、エコカー減税・環境性能割・グリーン化特例などの税額軽減措置を受けることができます。 

環境性能割 

環境性能割は廃止された自動車取得税に代わり、2019年10月1日より新たに設立された税金です。排出ガス基準や燃費達成基準などで表現される環境負荷に応じて課せられます。環境負荷が小さい省燃費かつ低排出ガス認定車に適用され、その中でも達成度が高い車ほど非課税または税率が低く設定され、新車・中古車を問わず対象となります。なお、環境性能割は新型コロナウィルス流行による景気低迷への対策として軽減措置が取られていましたが、2021年12月末までで終了しています。 

消費税 

2023年現在、消費税の税率は10%です。当然ですが、自動車本体やドラレコ、洗車用具などすべての購入品に課されます。また、もともとガゾリン税が課されているガソリンにも消費税が課されており、2重課税ではないかと問題視されています。 

保険料 

自動車の保険には法律で加入が義務付けられている自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)と、任意加入の自動車保険(任意保険)があります。 

自賠責保険 

事故が起きたときの被害者救済を目的として、自動車を公道で走らせる場合には、必ず加入しなければならず「強制保険」とも呼ばれています。補償は対人賠償に限られ、補償額は加害車両1台当たり最大3,000万円です。万が一死亡事故が発生した場合、賠償額が1億円を超えることもあるため補償としては十分といません。 

自賠責保険は、保険の加入期間や車種、地域によって異なっており、保険期間が24か月で離島及び沖縄を除く保険料は、自家用乗用自動車で17,650円、軽自動車で17,540円です(2023年4月~)。新車購入や車検のタイミングで支払い、車検の有効期間を満たした期間に加入する必要があります。 

任意保険(自動車保険) 

任意保険(自動車保険)は、自賠責保険の補償を補うための保険で、対人だけではなく加害者自身のケガや他人の自動車、建物への賠償責任が発生したときの補償が備わっています。自賠責保険のように強制ではなく、加入はあくまで任意です。 

主に運転する人(記名被保険者)の年齢や車種などによって保険料が大きく変わり、どのような補償内容にするかによっても保険料が変わるのが特徴で、一概にいくらということはできません。また、同じ車でも最高値と最安値で数万円の開きがあるように、年齢や使用目的など他の条件でも保険料は変動します。 

メンテナンス費用 

自動車が壊れると、ときに10万円以上の修理費用がかかります。大きな故障による修理のような思いもよらぬ出費を抑えるためには、定期的な点検とメンテナンスを行うことが大切です。これをすることで大きな故障の防止と安全につながるのはもちろんのこと、結果、車検費が安くなり節約できる可能性すらあります。 

自動車のパーツのほとんどは消耗品です。運転や温度変化、湿気といった色々な原因で消耗・劣化していきます。消耗・劣化したパーツが本来の性能を発揮できない状態で走行を続けた場合、不具合が生じ、場合によっては事故を起こす可能性もあります。ワイパーやタイヤ、エアコンフィルター、ウィンドウォッシャー、バッテリー、エンジンオイルなど、定期的に交換が必要な部品のチェックは忘れないようにしましょう。 

メンテナンスはディーラーやカー用品店に依頼ができますが、専門的な知識が不要なものは自分で行うことで出費を抑えられます。ただし、初めて作業する場合は工具を買ったり、失敗し、結果的に業者に依頼したりして出費がかさんでしまう可能性もありすべてを自分で行うことはあまりおすすめできません。依頼した場合の作業工賃を事前に確認して、自身で行うか依頼するかを検討することも大切です。 

走行に必要な費用 

走行に必要な費用は、ガソリン代、高速道路料金、駐車場代などです。日常的な出費となるのが、ガソリン代や各種有料道路の通行に必要な費用と、月々の駐車場代で、自動車の維持費の中でも大きな出費となります。 

車を走行させる為になくてはならないものがガソリンですが、日常的に発生する費用なので、維持費の中でも割合が高い費用です。ガソリン代は車種や乗る頻度、走行距離だけでなく、ガソリンの相場によっても変動します。 

また、旅行やレジャーの際に、発生する可能性があるのが高速道路料金です。長距離通勤をする人にとっては、日常的に高速料金が発生することもあるでしょうし、高速道路だけでなく、各種有料道路を使用しても料金が発生してしまいます。 

駐車場代は場所や地域によって大きく変わります。もちろん、敷地内に駐車場がある戸建にお住まいの方はかかりませんが、車でお出かけした際には有料駐車場を利用する機会が多いため、無視できない費用です。 

以上のように、自家用車を使用していると、税金や保険料以外にもさまざまな費用がかかります。これらの費用を避けることはできませんが、毎月チェックして支出を把握しておきたいところです。 

ローンを組んだ場合はローンの支払いも 

月々の出費を考えると車は現金での購入が理想ですが、マイカー購入時にはローンを組むのが一般的です。そのため、月々の維持費を考える場合には、ガゾリン代や車検、メンテナンスなどの費用に加え、ローンの返済も考慮に入れておく必要があります。 

ローンを組む場合は、頭金をできるだけ多く用意することに加え、少しでも金利の安い金融機関を選んで返済額を少なくしましょう。マイカーローンには銀行など金融機関で契約するものと、ディーラーなど自動車販売店で契約するものがあり、金利や手数料の安さで選ぶのであれば、銀行などの金融機関のマイカーローンがおすすめです。 

自動車の維持費を節約するポイント 

ここまで、かかってしまう維持費の内訳や金額について解説してきましたが、抑えられる出費があればなるべく抑えたいのが本音です。では、維持費を節約するにはどうしたらよいのかについて、ポイントやコツを解説します。 

軽自動車・エコカーを購入する 

維持費を節約するには軽自動車・エコカーを選択するのも一つの手です。税金・保険料が普通車よりも安く、エコカーは補助金の対象となっており、数年支払い額が安いのも見逃せません。 

中でも軽自動車の中には、車両価格が100万円を切る車種も販売されています。例えローンで新車を購入した場合でも、購入費用を低く抑えれば返済は楽になるため、維持費をもっとも意識するのであれば、車両価格もしっかりチェックしたいポイントです。 

燃費の良い自動車を購入する 

維持費のシミュレーションでも紹介したように、ガソリン代は維持費の中でも大きな割合を占める要素です。そのため、燃費の良い軽自動車やエコカーを選べば、結果として1年間の維持費が安く抑えられます。 

燃費が悪ければその分給油の回数が多くなり、例えば100km走る場合、燃費10km/Lの車だと燃料が10L必要ですが、20km/Lの車だと5Lで済みます。1年間で換算すると、その差はかなりのものとなり無視できません。 

また、先述したとおり燃費性能が良い車は、「エコカー減税」や「グリーン化特例の軽課」の対象となります。1台の自動車を長く乗り続ける方や、通勤先が遠い、よく遠出をしたりドライブをしたりする方にとっては燃費の良い自動車を購入することがオススメです。 

定期的なメンテナンスを怠らない 

車検のタイミングで整備士に点検してもらっていても、自動車を利用しているとトラブルや不具合は起きてしまうものです。故障箇所によって費用は異なりますが、エンジン本体やトランスミッション本体などの修理となると、数樹万円以上かかる可能性もあります。 

しかし、日頃の点検やメンテナンスをしっかり行うことで、トラブルを未然に防ぐことができ、大きな出費を抑えることが可能です。また、定期的なチェックとメンテナンスを行うこととで大きな故障の防止と安全につながるだけでなく、結果、故障が少なくなれば車検費用が安くなり節約できる可能性もあります。 

車体価格を抑えて自動車を購入する 

もともとの車掌価格が安い車種を選ぶ以外にも、購入時の値引き交渉で費用を抑えるのも有効的な手段です。交渉の基本は、他メーカーとのライバル車種の見積書をもらい交渉します。もちろん必要以上に大きな値引きは狙えませんが、車種とタイミングによっては10万円以上の値引きを引き出すことも難しくありません。何を重視して購入を検討しているか、なぜライバル車と迷っているかなど、自分でも交渉のポイントを把握しておく事が重要になります。 

また、中古車やディーラーの新古車(未使用車)を狙うのも手です。中古車であれば購入費用をグッと抑えることができるのはもちろん、展示車や試乗車として使われてきたディーラーの新古車も検索してみましょう。タイミングが良ければ、新車価格の2〜3割安く購入することが可能です。 

新車中古車を問わず、決算月の3月と半期決算月の9月は大きな値引きを狙うことが出来るので、値引きを重視するのであれば購入時期も考慮しましょう。 

まとめ 

自動車の維持費は、普通自動車・小型自動車・軽自動車で税金やガソリン代などで大きく金額が変わります。また、車検に加え予期せぬ修理や交換の費用が発生することもあるため、定期的な点検やメンテナンスを行うことで大きな出費とならないようにするのも大切なポイントです。 

自動車の維持費を節約するためには、購入段階からのリサーチはもちろんのこと、用途や収入など、ご自身のライフスタイルにあった種類の自動車を選ぶことで、無理のないカーライフを送ることができます。これから車の購入を考えているのであれば、今回の記事を参考に、月々いくら程度の費用が必要なのかシミュレーションしておきましょう。