中古車購入の流れを解説!必要書類や選び方、納車までの流れについて

クルマは一生のうち何度も買い替える物ではないため、いざ購入するとなると不安になるものです。欲しい中古車を見つけて購入する場合に困らないためにも、必要な書類や最終的な納車まで全体の流れをつかんでおきましょう。 

そこで今回は、中古車購入の流れを中古車の選び方や納車までの流れ、必要書類に至るまで徹底解説します。 

中古車を購入する際の流れ 

中古車購入の予算を決める 

中古車を購入する際、最初に行うべきことは購入予算を決めることです。車種によっては100万円単位の買い物となる中古車購入では、10万円や20万円の差を小さく感じてしまい、気がついたら大きく予算を超えるクルマを購入してしまったということにもなりかねません。できるだけ具体的に、無理なく支払える金額を設定しましょう。ローンを組む際も、予算の上限をきめておかないと、月々の支払いで無理をすることになっていまいます。 

また、中古車は同じ車種でも、年式や状態によって大きく金額が異なる点も予算を決めておいたほうが良い理由の1つです。予算を決めておくことで、購入するクルマを絞りやすくなります。 

なお、中古車を購入すると、車両本体価格だけでなく登録をはじめとした諸費用や税金、保険などの費用もかかってきます。本体価格に加えて10~20万円程度かかることも考慮しておきましょう。 

購入したい車種を絞り込む 

購入予算の目安を決めたら、いよいよ車種を絞り込みます。家族の人数や使用目的、燃費や税額といった経済性、好みのスタイリングから候補を選んでいきましょう。特に使用目的は、中古車選びをする上で重要な項目です。乗車定員が家族の人数を下回っていると家族で移動できませんし、購入者本人以外が運転する場合は運転のしやすさの検討も必要です。 

また、車種を絞り込む際はモデル名だけでなく、年式やグレード、装備についてもある程度考えておくことをおすすめします。中古車を購入する際は、新車のように希望通りのクルマが見つかるとは限りません。しかし、あらかじめある程度絞り込んでおくことで、「年式は譲れないがグレードは妥協する」「この装備だけは絶対に外せない」などの軸をもって中古車を探すことができます。 

販売店で中古車を探す 

中古車を探す方法にはさまざまな方法があります。もっとも一般的な方法は、中古車販売店に直接出向く方法です。特に購入するクルマのイメージが固まり切っていない場合は、店頭で実際に見ることでより明確に車種を絞り込むことができます。 

ただし、中古車店を直接訪問すると、通常は営業の担当者が付くことには注意が必要です。訪問後に営業の電話などがかかってくるようになる場合もあるほか、交渉が苦手な方の場合は断りづらさから納得のいかない中古車を購入してしまうおそれもあります。また、本当にお買い得なクルマではなく、そのお店が「売りたい」中古車を強くすすめられる場合もあるので判断を誤りかねません。 

販売店で中古車を探す 

ある程度購入する車種が固まっている場合は、大手中古車情報サイトを利用する方法もあります。中古車情報サイトは、年式やグレードも含めて購入を希望する車種の相場をつかめる点が最大のメリットです。また、検索結果の件数から全国的な在庫情報も把握できます。 

ただし、中古車情報サイトにはあまりに多くの情報があるため、かえって絞りにくくなる側面もあります。また、情報が更新されていないと、せっかく気に入った中古車を見つけても売却済みになっていることもあるので注意しましょう。 

なお、大手中古車サイトなどで希望の車種を探す際は、予算の8割程度の価格を目安にしましょう。 

個人売買で中古車を探す 

できるだけ安価に希望する条件の中古車を探したい方には、個人売買がおすすめです。中古車販売店のような中間マージンがかからないので、純粋に車輌そのものの価値を反映した価格で購入できます。また、こだわりのグレードや装備など、時間さえ許せばゆっくりと納得いくまで探せる点も個人売買のメリットです。 

ただし、個人売買をする場合は、中古車店で購入する場合にはないいくつかのポイントに注意しましょう。中古車の状態の評価が現在の持ち主の主観によるものになっていること、書類の手配などを自分でしなければならないこと、購入後のメンテナンスを手配しなければならないことなどです。 

中古車の見積もりを出してもらう 

購入したい中古車が決まったら、詳細まで含めた見積もりを出してもらいましょう。中古車店の店頭や情報サイトに表示されている価格は、多くの場合本体価格のみです。実際に購入する際は、納車前のメンテナンス費用や名義変更、車庫証明の取得手続き費用、納車時の輸送費などさまざまな費用がかかります。また、購入タイミングや車検の状況によっては自動車税や重量税といった税金も必要です。 

見積もりを出してもらったら、予算内なのか、予算を上回る場合は支払えるかを慎重に検討しましょう。また、購入するクルマの価値に見合った金額になっているかという点も冷静に判断することが大切です。 

車両契約の手続きを進行する 

提示された見積もりに納得したら、いよいよ中古車購入の手続きに入ります。売買契約自体は書類に印鑑を押すだけですが、事前に手配すべきこともあるので注意しましょう。 

購入決定時にまずすべきことは、駐車場の確保です。駐車場が確保できていないと、購入そのものができません。中古車探しと並行して、駐車場も探しておくとスムーズに進められます。 

また、ローンを組む際は、契約前に審査を通しておく必要があります。売買契約を結んでしまうと、ローンの審査に通らなくても通常はこちらの事情でキャンセルできません。仮にキャンセルできる場合でも、手数料を請求される場合もあるので注意しましょう。ただし、中古車販売店があっせんするローンを利用する場合は、ローン審査に通ることが売買契約の条件になっていることもあるので詳しくは購入先で確認してください。 

任意保険の加入手続きを進める 

契約を結んだら、任意保険加入の手続きを進めます。強制加入となっている自賠責保険の費用は購入費用に含まれていますが、任意保険は別途手配が必要です。任意保険は自賠責保険でカバーできない範囲も保証してくれるため、必ず加入しましょう。なお、現在クルマを所有していて、すでに任意保険に加入している場合は変更の手続きをおこないます。 

任意保険の加入には、車検証の内容と保険開始日にする納車日の情報が必要です。加入する任意保険が決まったら、車検証を取得できるタイミングや納車日を販売店に確認しましょう。 

ただし、中古車の場合は、納車日当日に陸運局で登録するといったケースも少なくありません。インターネット契約などであれば、加入当日から保険適用されることもあるため、事前に調査しておきましょう。任意保険の加入は強制ではないので、法律上は加入していなくても納車後に運転できます。しかし、保険の加入が間に合わなかった場合は、任意保険の手続きが終わるまで運転を控えたほうが無難です。 

中古車費用の支払いをする 

売買契約を結んだら、契約書で決められた日付までに費用を支払います。支払期日は、納車前の日付に設定されているのが一般的です。ただし、契約内容によっては、契約時に手付金として購入価格の一部を支払うことになっている場合もあるので購入点に確認しましょう。 

また、ローンを利用して購入する場合の支払日も同様です。販売店のあっせんするローンであれば、支払日をそれほど意識する必要はありません。 

納車立ち合い 

納車では、一般的に販売店まで購入者が受け取りに行きます。一方で、遠方の店舗の場合や、集うが付かず取りに行けない場合は、指定した納車場所まで配送してくれるケースもあるので納車方法を事前に確認しておきましょう。また、自分で受け取りに行く場合は、免許証の持参を忘れないようにしてください。 

納車日当日は、受領する前に細かい点まで車両の状態を確認しましょう。契約前にはなかったキズや損傷はないか、契約内容にそった仕様に仕上がっているかといった観点で確認します。疑問に思った点は、必ずその場で確認してください。また、中古車の保証期間は、新車に比べてそれほど長くありません。購入後しばらくは、異音や異臭など注意深くクルマの状態に気を配りましょう。 

中古車購入における必要書類 

必要書類①車検証 

車検証は、保安基準に適合していることと車両の所有者を証明する書類です。正式名称は「自動車検査証」といいますが、所有者の義務である車検を定期的に受けていることを証明する書類のため、一般的に「車検証」と呼ばれています。 

中古車の車検証は販売店が保管しているため、購入者が手配する必要はありません。また、購入にともなう所有者の変更手続きなども販売店がしてくれるため、購入者による手続きは不要です。 

必要書類②車庫証明書 

車庫証明書は、自動車を保管する場所を確保していることを証明する書類です。自動車の使用者の居住する地域を管轄する警察署で発行されます。車庫証明の取得には、保管場所の住所や所有者の印鑑などが必要です。住所地に近い販売店の場合は、必要書類さえそろえれば、車庫証明の取得を代行してくれることもあります。 

ただし、軽自動車の場合は車庫証明ではなく「保管場所届出」となりますが、人口が多い地域以外は届出そのものが不要です。また、普通自動車でも地域によっては車庫証明が不要の場合もあるので、事前に管轄する警察署で確認しておきましょう。 

必要書類③実印 

実印は、購入した中古車の名義変更手続きをする際に使用します。自動車は「資産」のため、所有者の登録や変更は公的な手続きのためです。 

実印として使用できるのは、居住する自治体で印鑑登録された印鑑のみです。印鑑登録をしていない場合は、事前に登録を済ませておきましょう。本人確認の方法によっては、数日かかる場合もあります。 

なお、軽自動車は「資産」とはみなされていないため、実印は不要です。 

必要書類④印鑑証明書 

印鑑証明書は、各種手続きで使用する印鑑が実印として登録されていることを証明する書類です。コピーではなく原本が必要になるので、必要な数を販売店に確認しておきましょう。また、印鑑証明書には有効期限がある点にも注意が必要です。 

印鑑証明書は自治体の役場で発行できるほか、マイナンバーカードを取得していればコンビニなどでの発行に対応していることもあります。なお、発行には自治体の定めた数百円程度の手数料が必要です。 

なお、実印が不要な軽自動車の購入では印鑑証明も必要ありません。 

必要書類⑤委任状 

委任状は、本人に変わって代理人が手続きすることを認める書類です。中古車を購入する際は、陸運局での登録変更や車庫証明の取得といった面倒な手続きを販売店が代行してくれます。委任状があれば、購入者本人が複雑な手続きをする必要が生じません。 

委任状の内容には、なんの手続きを委任するのかを明記する必要があります。手続きの内容によって異なるので、必要な委任状は販売店に確認しましょう。なお、一般的に必要な委任状は、販売店側で用意してくれます。 

必要書類⑥住民票 

住民票は、軽自動車を購入する場合に必要です。軽自動車の購入では、印鑑証明が不要なため現住所の確認をするために住民票を使用します。 

普通自動車を購入する場合は、基本的に住民票は不要です。ただし、普通自動車を購入する場合でも、所有者と使用者が異なる場合には住民票が必要になります。 

普通自動車と軽自動車では必要書類が異なるので注意が必要 

普通自動車と軽自動車を購入する際に、必要な書類は若干異なります。普通自動車に必要で軽自動車購入時には不要な書類は、車庫証明と印鑑証明書(実印)です。ただし、車庫証明については、「保管場所届出」が必要な地域があるので注意しましょう。 

反対に、軽自動車を購入する際にのみ必要な書類は住民票です。印鑑証明書を必要としないため、現住所の確認に使用します。ただし、普通自動車を購入する場合でも、所有者と使用者が異なる場合には住民票が必要になるので注意してください。 

車両価格以外の諸費用について 

中古車を購入する際は、車両本体の価格以外にも諸費用がかかってきます。諸費用の内訳は、税金や強制保険料、各種手数料といった必ず発生する費用、販売店に支払うメンテナンスや納車費用、手続きの代行費用などです。 

税金は、自動車税と車検が切れていた場合には重量税が課税されます。また、登録検査費用と車庫証明取得の代行費用、自賠責保険の保険料も必ず発生する費用です。さらに、販売店に各種手続きの代行をお願いする場合は、代行手数料が発生することもあります。 

納車前のメンテナス費用や納車費用は、金額と内容は販売店によって異なるため事前に確認しておきましょう。特に納車費用は購入したクルマを、購入者が直接引き取りに行けば不要になります。 

中古車選びにおける注意点 

販売店/販売ルートを確認する 

中古車を購入する際は、販売店や入手ルートが重要です。事故歴を含むクルマの状態は、素人にはなかなか判断できません。信頼のおける販売店や確かなルートで入手したクルマを選ぶようにしましょう。 

販売店の信頼性を見極めるのは難しい部分もありますが、担当者が誠実に対応してくれているか、ネガティブな要素も隠さず教えてくれるかといった点からある程度は判断できます。また、営業年数やインターネット上の口コミも、販売店の信頼性を判断する材料として有効です。 

保証内容を確認する 

中古車は新車登録から年月が経過しているため、万が一故障した際の保証は重要なポイントです。保証の期間と内容を、契約前にしっかりと確認しておきましょう。 

ただし、中古車の特性上、新車のように手厚い保証期間や内容は期待できません。安全性やクルマとしての機能にかかわる重要な部分の保証がしっかりと盛り込まれているかどうかが判断のポイントです。 

なお、販売店によっては保証に加えて、オイル交換などのメンテナンスサービスを提供していることもあります。 

中古車販売の流れに関するよくある質問 

中古車を購入する際の大まかな流れは? 

購入したい中古車が決まったら、見積もりを入手してまずは金額を確認します。ローンを利用する場合は、見積もり入手後に審査に申込みましょう。ローンの手配も含めて購入に必要な資金と駐車場の契約を済ませて、販売店と売買契約を結びます。 

中古車の購入代金はいつ支払うの? 

中古車の購入代金は、一般的に売買契約後から納車前までの間です。販売店によっては、売買契約時に代金の一部を手付金として入金する場合もあります。売買契約前に全額の支払いを求められる場合には、購入者のみがリスクを負うことになるので注意しましょう。 

中古車を選ぶ際のポイントは? 

中古車を選ぶ際は、重要視するポイントに優先順位をつけておくことが重要です。中古車では、新車のように自由に仕様を決められません。在庫として販売されている車両のなかから、できるだけ要望に「近い」クルマを選ぶことになります。ボディ色や仕様、装備などなにを優先するかをあらかじめ決めておきましょう。 

まとめ 

全体の流れさえつかんでしまえば、中古車の購入はそれほど難しいものではありませんが、購入する販売店とクルマ選びは慎重におこないましょう。販売店については、できるだけ安く購入する方法として、インターネットを利用した個人売買という方法もあります。 

また、新車より安価な中古車とはいえ、金額の大きな買い物です。中古車を選ぶ際は予算を決めたうえで、できるだけ自分の希望にあったクルマを見つけましょう。すべて希望通りという中古車はなかな見つかりませんが、優先順位をつけて根気強く探すことで満足のいく中古車に出会えるはずです。