道具感にこだわった軽クロスオーバー タフト

「日常からレジャーシーンまで大活躍、毎日を楽しくしてくれる頼れる相棒」をコンセプトに、のちに触れる「スカイフィールトップ」という類のない大型ガラスルーフを備えて登場したのがタフトです。世界的なトレンドとも言えるSUVテイストと、実用的な軽ワゴンタイプを融合した、軽クロスオーバーというカテゴリーになります。

まず特徴となるのが水平基調のボディスタイルで、道具感のあるデザインです。フラットなボンネット、垂直に近いAピラーなど”四角”が強調されています。インテリアもエクステリア同様にスクエアを基調とした力強いデザインで、シンプルに使える道具感があります。内外装ともに統一感のある仕上げで、見た目だけでなく独自の世界観をしっかり構築しているのもポイントです。

ラゲッジは防汚加工が施されアクティブに使えるよう配慮されています。さらにリヤシートを倒すと、引っ掛かりや窪みや段差がまったくないフルフラットかつ隙間のないアレンジが可能です。もちろんリヤシートのバックボードも滑りにくい素材&防汚加工が施され、二段に区切れるラゲッジボードなど多彩な使い方ができます。

ラフロードでも十分なロードクリアランス

最低地上高は190㎜とクロカンに近いスズキ・ジムニーには及ばないものの、ラフロードでの走破力や、日常で段差を気にせずにすむSUV的な乗り味を両立したバランスのいい車高となっています。ちなみに2WDと4WDともに変わらず190㎜です。アプローチアングルは27°、ディパーチャーアングルは58°とオフロードで必要なクリアランスもしっかり確保されています。さらにぬかるみや凸凹道でタイヤが空転した場合、タイヤのグリップ状態をキープする「グリップサポート制御」といった技術も搭載されています。

エンジンは660ccのNAエンジン(52ps/60Nm)と660ccターボエンジン(64ps/100Nm)の2タイプが設定されます。もちろん両エンジンに2WDと4WDが用意され、トランスミッションは全モデルCVTを採用します。高速道路もよく使う、多人数乗車の機会が多いといった使用であればターボがおすすめです。なお低速ではNAのほうがスムーズな加速特性で扱いやすいため、ターボとNAは使用用途をしっかり考えて選ぶほうがいいでしょう。

ベーシック仕様のX、装備充実のGの2グレードあり、それぞれにNAとターボ、2WDと4WDが用意される全8タイプとなります。またディーラーオプションやメーカーオプションによるスタイルコーディネートが用意され、自分好みの組み合わせでカスタムすることも可能です。スクエア基調の内外装のためカスタムがしやすいという要素もあり、買ってから様々な楽しみがあるのも魅力と言えます。

安全装備である運転支援も搭載され、ステレオカメラ式のスマートアシスト(通称スマアシ ※一部グレードはOP)による衝突被害軽減ブレーキ、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、レーンキープコントロールなど充実の内容です。電動パーキングブレーキをダイハツで初採用しており、オートブレーキホールド機能もあり、快適なドライブをアシストします。

オープンカー級の開放感のスカイフィールトップ

そしてなんといってもタフト最大の魅力となるのが大型ガラスルーフ「スカイフィールトップ」です。ガラスルーフによる開放感はドライブを楽しくしてくれるアイテムです。しかもこれは全モデルに標準となり、高いUV&IRカット機能とシェードも備わり、車内の快適さを損なわないようしっかりと配慮されています。通常この手のガラスルーフはドライバーの頭上あたりから後方にかけて配置されますが、タフトの場合はドライバーの前方から…、言い換えると運転視点に頭上の空の様子が自然と飛び込んでくるようにガラスルーフがレイアウトされており、オープンカーのような開放感や爽快感が味わえます。これは想像以上の気持ちよさで、走りの楽しさを高める大きなトピックと言え、これだけでタフトを選ぶ価値があるという存在です。ちなみにシェードを閉めるとスクエアな室内空間&フロントガラスにより、映画館のような包まれ感に変わります。この独特の空間は居心地の良さがあり非常に魅力的です。

走行性能はスタイル通りタフ感があり、新世代シャーシ「DNGA」の高剛性ボディによるどっしり感が印象的です。やや硬さ&張り感があるためコンフォートな乗り味とは違いますが、見た目どおりのアクティブな走りと言えます。もちろんラフロードでの走行も考慮されているのでロールはある程度許容させるセットアップですが、不快にグラグラさせない適度な足回りとなっています。

低速も高速も高効率のD-CVTを搭載

またターボモデルに搭載されるD-CVTと呼ばれるミッションは、低速CVTと高速CVTをボックスにひとまとめしたような機構で、2段変速タイプのような機能を発揮します。ハイブリッドのようにモーターアシストで低速をカバーするのではなく、CVT制御で加速と燃費を両立するという考え方で、走行性能をスムーズにするだけでなく、コストアップや重量増を抑えることも可能という理にかなったシステムといえます。

若干気になる要素といえば、高剛性ボディによってややゴツゴツ感のある乗り味、大径タイヤによるロードノイズです。また独特なスタイルと室内空間の仕立てにより、サイドガラスが高めのため視認性が少し制限されるというのは注意が必要です。慣れるまでには通常より少し時間がかかるかもしれません。