五味やすたか記事

ゴーカートフィーリングを継承し続けるMINI

2024/2/2

イギリスのBMC（ブリティッシュ・モーター・コーポレーション）が販売をスタートし、2001年からBMW傘下となり新たなブランドとして展開されるのがミニです。このBMCで販売されていたモデルは、クラシックミニやローバーミニとされ、BMWから販売されるようになった世代はニューミニ、BMWミニとも称されます。

BMWが製造するニューミニとしては、現行型は3代目となりますが、クラシックミニから続く丸目ヘッドライトやスクエアなスタイルは継承されているのが特徴です。ミニという車名が表現するコンパクトなボディは2代目から3ナンバーサイズとなり、現行モデルはさらにひとまわり大きくなっています。

ボディタイプは通常の3ドア＆5ドアをはじめ、オープンタイプのミニコンバーチブル、観音開きが特徴的なワゴン的なミニクラブマン、SUV的なミニクロスオーバーが設定されます。多彩なボディバリエーションが用意されるのもミニの魅力とも言えます。

ガソリン・ディーゼル・PHEVと多彩なエンジン

エンジンはボディタイプによってラインナップが変わりますが、ガソリンエンジンが1.5ℓ直3ターボ／2ℓ直4ターボ、ディーゼルエンジンが1.5ℓ直3ディーゼル／2ℓ直4ディーゼル、PHEVとして1.5ℓ直3ハイブリッドからチョイス可能となっています。トランスミッションはガソリンエンジンが7速DCT、ディーゼルが8速AT、PHEVが6速ATが組み合わされます。

どのエンジンもターボを組み合わせていることでトルク特性がよく、比較的軽量なボディも相まって十分な加速力を得られます。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンともに標準仕様とハイパワー仕様があり、通常がクーパー、クーパーSになるとハイパワーとなります。基本はFFモデルが中心となりますが、オール4と呼ばれる4WDもラインナップされています。

インテリアは丸型を随所に配したデザインが特徴的で、なかでもセンターディスプレイの周囲を彩る「ディスプレイリング」が目を引きます。アンビエントライトとしてカラーを設定できるほか、エンジン始動時やエアコン操作時などでカラーや演出が施されます。液晶タイプのメーターを含めてポップで楽しいインテリアもミニの大きな魅力となります。なお、3ドアとコンバーチブルは4人乗り、それ以外のモデルは5人乗り仕様となっています。

エクステリアも丸目ヘッドライト、イギリス国旗のユニオンジャック柄のリヤテールライトと個性際立つスタイルを取り入れています。また、さまざまなブランドのコラボも実施され、内外装を特別仕立てとしたモデルも数々用意されます。ルーフ＆ミラーをグラフィカルな仕様とするオプションも設定されており多彩なカラーリングが可能で、さらにシートバリエーションも豊富と、自分好みの仕様を作り上げる楽しさもあります。

クラシックミニから続く軽快で楽しい走り

走りはクラシックミニ時代から表現される「ゴーカートフィーリング」が現行モデルでも味わえるセッティングで、クイックでキビキビとしたハンドリングが最大の特徴です。後席の広さと引き換えにやや短めのホイールベース設計とされたことも、このゴーカートフィーリングを引き立てています。不快ではないものの引き締められた足回りとなっており、全体的にスポーティな仕立てがミニの信念とも言えます。クーパーやONEといったベーシック仕様は必要十分なエンジンスペックですが、クーパーS（ディーゼルならクーパーSD）になるとかなりハイパワーとなりより刺激的な走りとなります。

シリーズでもっとも長いホイールベース（2670㎜）となるクラブマンとクロスオーバーは3ドアや5ドアモデルと比べると少し穏やかな走りとなっています。4WDのオール4モデルは重量増や全輪駆動による安定感によって、よりどっしり感ある特性となります。そんなミニシリーズのなかでもっとも上質な乗り味を持つのが、PHEVのクロスオーバークーパーSEです。モーターアシストやスムーズなハイブリッドシステム、重さを生かしたバランスなど、ミニらしい軽快な走りは残しつつも大人な仕立てとなっています。

サーキットスペックの過激なJCWも用意

さらにシリーズ最強仕様となるJCW（ジョンクーパーワークス）も用意され、ミニ（3ドア）、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーに設定されます。シリーズ一のスペックを持つ2ℓ直4ターボが与えられ、3ドアとコンバーチブルがFFで231ps／320Nm、クラブマンとクロスオーバーが4WDで306ps／450Nmとなります。