マツダ・RX-8の燃費はどのくらい?実燃費や向上させる方法など

世界で唯一の量産型ロータリーエンジンを搭載する、マツダ・RX-8。軽量コンパクトでしかも高出力を誇るロータリーエンジンは、RX-8のようなスポーツカーにとって理想的なエンジンです。 

一方で、ロータリーエンジンは、燃費が良く無いとされています。新たに自然吸気エンジンに生まれ変わったRX-8の燃費は、従来モデルからどう変化したのでしょうか。 
RX-8について、実燃費や燃費向上の方法も交えて詳しく紹介します。 

マツダ・RX-8とは?

引用元:https://www2.mazda.com/ja/100th/cars/detail_045_rx8.html 

マツダ RX-8は、ロータリーエンジンを搭載した4人乗りのスポーツカーです。量産車として世界で唯一ロータリーエンジンを搭載していたFD3S型の後を受け継ぐ形で2003年に登場しました。 ロータリーエンジンらしい高回転まで一気に吹け上がる爽快感と、コンパクトなボディをいかした高い運動性能が魅力です。また、マツダらしい個性的なスタイリングも、多くの自動車ファンを魅了しました。 

マツダ・RX-8の特徴と主要スペック

マツダ・RX-8最大の特徴は、ロータリーエンジンが搭載されていることです。しかし、吸気方式が従来のターボから自然吸気へと変更された新設計のエンジンを採用しました。型式こそ13B型を踏襲するものの多くの部分に手が加えられ、新たに「RENESIS(レネシス)」という名称がつけられています。 

外観は、当時としても個性的な曲線が強調された美しいボディラインが印象的です。一方で、ボディサイズそのものはコンパクトに設計され、ロータリーエンジンをフロンドミッドシップに納めた低いボンネットフードも相まって小柄な印象を受けます。 

また、一見2ドアクーペにも見えるスタイリングですが、後席側に観音開きのドアを備えた4ドアという点もRX-8の大きな特徴です。スポーツカーに重要なボディ剛性を犠牲にしないために開口部を最小限にとどめつつ、実用性ももたせるマツダ開発陣の工夫がみられます。 

マツダ・RX-8前期モデルの特徴・主要スペック

RX-8は、2008年3月に大きなマイナーチェンジを行っており、2003年の登場から2008年3月までを「前期」、それ以降を「後期」と区別されています。 

RX-8登場時のグレードは、「ベースグレード」と呼ばれる標準車輌に加えて「タイプE」と「タイプS」の合計3種類です。最上位グレードのタイプSはエンジン出力がほかのグレードの210psから250psに高められており、RX-8の動力性能を最大限発揮します。一方、タイプEは4ATのみの設定で、本革パワーシートやクルーズコントロールなどを装備し、ラグジュアリー志向に仕上げられたグレードです。 

また、先代RX-7やロードスターといった他のマツダスポーツモデルと同様に、さまざまな特別仕様車も毎年のように追加されます。「マツダスピードバージョン」「マツダスピードバージョンII」は、マツダのスポーツブランド「マツダスピード」の限定モデルで、それぞれ300台、180台という台数限定の販売でした。 

さらに、タイプSとタイプEには、「スポーツプレステージリミテッド」「スポーツプレステージリミテッドII」「サンドベージュレザーパッケージ」といった特別仕様車が随時追加されました。 

なお、車両型式の前半部分が、発売時は「LA」だったものが途中から「ABA」に変更されています。これは排ガス規制の識別記号で、ABA型は平成17年の規制への適合を示したものです。 

RX-8前期モデル主要スペック 

型式 LA-SE3P ABA-SE3P 
エンジン型式 13B-MSP(直列2ローター・ガソリンエンジン) 
排気量 654cc×2 
最高出力 210ps/7,200rpm(ベースグレード/タイプE) 
250ps/8,500rpm(タイプS) 
最大トルク 22.6kgfm/5,000rpm(ベースグレード/タイプE) 22.0kgfm/5,500rpm(タイプS) 
駆動方式 FR(フロントミッドシップ) 
トランスミッション 6MT/5MT/4AT 
全長×全幅×全高 4,435mm×1,770mm×1,340mm 
車両重量 1,310kg(MT)1,330kg(AT) 

マツダ・RX-8後期モデルの特徴・主要スペック

2008年3月、RX-8は大幅なマイナーチェンジを行い「後期モデル」になり、外観、スペックともに見直しが図られています。トランスミッションは、AT、MTともに6速のみに変更。さらに、最上位グレードのスポーツモデルとして新たに「タイプRS」が追加されました。 

後期モデルのもっとも大きな変更点は、フロント周りを中心にした外観です。ヘッドライトの形状やフェンダーのボディラインが前期型よりもシャープになり、全体にスタイリッシュに変化。また、フロントバンパーの開口部が拡大され、よりスポーティーな印象を高めています。 

内装面の変更点はあまり大きなものはありませんが、メーターがアナログメーターからデジタルメーターに変更されて視認性が向上しました。また、ビルトインタイプだったオーディオが標準的な2DINタイプになり、社外品の装着が容易になっています。 

RX-8後期モデル主要スペック 

型式 ABA-SE3P 
エンジン型式 13B-MSP(直列2ローター・ガソリンエンジン) 
排気量 654cc×2 
最高出力 215ps/7,450rpm(ベースグレード/タイプE) 
235ps/8,200rpm(タイプRS/タイプS) 
最大トルク 22.0kgfm/5,500rpm 
駆動方式 FR(フロントミッドシップ) 
トランスミッション 6MT/6AT 
全長×全幅×全高 4,470mm×1,770mm×1,340mm 
車両重量 1,350kg(MT)1,360kg(AT) 

マツダ・RX-8の燃費はどれくらいなのか

RX-8のカタログ燃費をご紹介します。燃費の違いは、グレードではなくトランミッション方式によるものです。重量の軽いMTのほうが、全体的にやや燃費がよくなっています。前後期の違いでみると、カタログ燃費の数字に違いはありません。 

しかし、後期モデルはMT、ATともに前期モデルよりも重量が増しているうえ、ATについては5psの出力向上も図られていることを考えると、実質的には燃費面も改善されているといえます。 

なお、記載している燃費はすべて「10モード/10・15モード」の燃費です。 

RX-8カタログ燃費 

モデル グレード カタログ燃費 
前期 ベースグレード(AT)、タイプE(AT) 9.0km/L 
ベースグレード(MT) 10.0km/L 
タイプS(MT) 9.4km/L 
後期 ベースグレード(AT)、タイプE(AT) 9.0km/L 
タイプS(MT)、タイプRS(MT) 9.4km/L 

マツダ・RX-8の実燃費 公道(市街地・街乗り)

RX-8の市街地走行の実燃費は、7.6km/Lという情報がありました。グレードは、後期モデルの最終型スピリットRの6MTです。計測は、朝のラッシュ時間帯、ドライバー1名、オートエアコンの設定温度は25度という条件とのことでした。 

ロータリーエンジンの特性として低回転域のトルクが弱いため、加速時はアクセルを踏み込んで一定の回転数まで回す必要があります。燃費計測ということで回転数に気を配っていても、加減速を繰り返す市街地走行での燃費は伸び悩みました。さらに、外気温が高く、エアコンが作動していたことも燃費悪化の要因です。 

一方で、ロータリーエンジンにとって苦手な市街地走行ということを考えると、カタログ燃費の8割ほどを記録している実燃費は優秀という見方もできます。ただし、市街地走行の燃費は、渋滞の状況や信号の数などによって大きく変動する可能性もある点には注意しましょう。 

なお、明確に市街地走行とわかる記録は後期モデルのスピリットRのみだったため、前後期各グレードの実燃費は走行条件を問わない参考値として記載しています。 

前後期 グレード カタログ燃費 実燃費 
後期 スピリットR(MT) 9.4km/L 7.6km/L 
前期 ベースグレード(AT)、タイプE(AT) 9.0km/L 6.01km/L 
ベースグレード(MT) 10.0km/L 7.99km/L 
タイプS(MT) 9.4km/L 7.03 km/L 
後期 ベースグレード(AT)、タイプE(AT) 9.0km/L 6.31km/L 
タイプS(MT)、タイプRS(MT) 9.4km/L 5.88km/L 

マツダ・RX-8の実燃費 郊外路

RX-8の郊外路での実燃費は、カタログ燃費を上回る10.1km/Lを記録。比較的高い数値を記録しやすい10・15モードのカタログ燃費ということを考えると、郊外路での実燃費はかなり優秀といえます。実燃費の計測には、市街地と同様にスピリットRのMT車を使用しました。 

あまり信号のない環境で一定の速度で走るという環境は、ロータリーエンジンの得意分野です。一般的なレシプロエンジンのピストン部分にあたるローターが円運動をするため、同じ回転数を維持する場合は一気に燃費が伸びます。 

また、市街地走行のように半クラッチを使用する場面が少ないのも、郊外路での燃費が伸びた一因です。半クラッチを使用するとタイヤに伝わる動力が半減するため、パワーを一部捨てることになります。しかし、シフトチェンジをすることなく速度を維持して走行できる郊外路では、エンジンパワーを無駄なく利用するため燃費が良化しやすいのです。 

なお、スピリットR(MT)以外の実燃費は、走行条件が不明だったため参考程度にご覧ください。 

前後期 グレード カタログ燃費 実燃費 
後期 スピリットR(MT) 9.4km/L 10.1km/L 
前期 ベースグレード(AT)、タイプE(AT) 9.0km/L 6.01km/L 
ベースグレード(MT) 10.0km/L 7.99km/L 
タイプS(MT) 9.4km/L 7.03 km/L 
後期 ベースグレード(AT)、タイプE(AT) 9.0km/L 6.31km/L 
タイプS(MT)、タイプRS(MT) 9.4km/L 5.88km/L 

マツダ・RX-8の実燃費 高速道路

マツダスピリットRのMT車を使用した実燃費計測ですが、高速道路では10.0km/Lを記録。郊外路同様にカタログ燃費を上回る、すぐれた実燃費を発揮しています。 

速度が高くなると、その分エンジンの回転数が上がるので燃費面では不利になりがちです。しかし、郊外路と同様にロータリーエンジンにとって最も効率の良い、一定速度の走行であれば速度が上がっても実燃費への影響はあまりないということでしょう。なお、高速道路走行時は、法定速度の80kmで計測したとのことでした。 

ただし、高速道路は渋滞状況によって、実燃費が大きく影響を受ける点に注意しましょう。流れが悪く加減速を繰り返すと、ストップ&ゴーの市街地ほどではないものの燃料消費が増加します。 

前後期 グレード カタログ燃費 実燃費 
後期 スピリットR(MT) 9.4km/L 10.0km/L 
前期 ベースグレード(AT)、タイプE(AT) 9.0km/L 6.01km/L 
ベースグレード(MT) 10.0km/L 7.99km/L 
タイプS(MT) 9.4km/L 7.03 km/L 
後期 ベースグレード(AT)、タイプE(AT) 9.0km/L 6.31km/L 
タイプS(MT)、タイプRS(MT) 9.4km/L 5.88km/L 

マツダ・RX-8の燃費を向上させる方法とは?

現在のエコカーと比較すると決して燃費が良いとはいえないRX-8ですが、工夫次第で燃費は良くなります。日常的な運転の仕方から、メンテナンス、カスタマイズまでRX-8の燃費を向上させる方法をご紹介しましょう。 

急加速を極力しない

ロータリーエンジンは、低回転域での燃料消費効率があまり良くありません。市街地を走行する際には、できるだけゆっくりとした加速を心がけましょう。ただし、交通の流れを妨げないよう注意が必要です。 

低回転から中回転まで滑らかに立ち上げるイメージで、アクセルを徐々に開けていくようにすると燃費が向上します。また、先を読んだ運転を心がけ、無駄な加速を避けることも燃費の向上に有効です。 

高回転を多用しすぎない

高回転まで気持ち良く吹け上がるロータリーエンジンは、つい低いギアで高回転まで引っ張ってしまいがちです。しかし、燃費を向上させるためには早めのシフトアップを心がけ、常用回転数以上の高回転を多用しすぎないようにしましょう。 

特にAT車に乗っている場合は、自動的なシフトアップの直前まで加速したタイミングで一瞬アクセルを抜くと、シフトアップタイミングが早まります。また、キックダウンをするような過度なアクセルの踏み込みは極力避けましょう。 

アイドリングストップをする

駐車中などのアイドリングは、燃費を悪化させる原因の1つです。特に一般のレシプロエンジンやハイブリッド車に比べて燃費の悪いRX-8では、アイドリングの燃費に与える影響が大きくなります。 

ただし、アイドリングストップ機構の備わった車種ではないため、信号待ちなどあまりにこまめにアイドリングストップをするとバッテリーの寿命を縮める可能性がある点には注意しましょう。 

エアコンの使用を控える 

エンジンに大きな負荷をかけるエアコンは、燃費を悪化させる要因です。特に低回転域のトルクが細いRX-8でエアコンを使用すると、発進時などのアクセルの踏み込み量が増えてしまいます。エアコンを使用する際は、過度に低い温度に設定しないようにしましょう。 

また、RX-8は世界で唯一のロータリーエンジンを搭載した量産車なので、窓を開けてロータリーサウンドを楽しむのもおすすめです。ただし、真夏など健康に害を及ぼす危険のあるときは、燃費よりも体調を優先させてください。 

タイヤの空気圧を適正に保つ

タイヤの空気圧は、燃費を向上させるというよりも、悪化させないという側面が強いポイントです。タイヤの空気圧が低下すると、転がり抵抗が増えて燃費が悪化します。給油時などに定期的な空気圧の点検をし、常に適正な空気圧に保っておきましょう。 

一部の情報では空気圧をメーカーの指定よりも高めにすると燃費が向上するというものありますが、公道を走行するのであればおすすめしません。空気圧を高めると確かに燃費は向上しますが、一方でグリップ力の低下など危険につながる恐れもあるためです。 

プラグをこまめに交換する

ロータリーエンジンは、一般的なレシプロエンジンよりもプラグを早く消耗します。細かい説明は省きますが、レシプロエンジンではエンジン2回転に1回しか点火をしませんが、ロータリーエンジンはエンジン1回転につき1回点火をする仕組みのためです。 

実際、自動車メーカーの指定するプラグの交換時期は、レシプロエンジンの10万km前後に対して、RX-8では6万kmとされています。サーキット走行など高回転域を多用する場合は、さらに短いタイミングで交換しましょう。 

エンジンオイルをしっかりと管理

RX-8のエンジンオイルは、情報によっては3、000km程度で交換したほうが良いといわれるほどシビアな管理が求められます。エンジンオイル劣化の主な原因は熱によるものですが、ロータリーエンジンは発熱量の大きなエンジンのためです。 

メーカー推奨の交換時期は、標準で10,000km、シビアコンディションで5,000kmとなっています。しかし、販売終了からすでに10年が経過(2023年執筆時)し、エンジンの状態も新車時とは異なるのでエンジンオイルはこまめに交換しましょう。 

エンジンをターボ化する

RX-8の自然吸気ロータリーエンジンに、ターボを搭載すると燃費向上につながる可能性があります。RX-8の弱点であるトルク不足をターボで補うことで、結果的にアクセルを踏み込む量を減らせる可能性があります。 

また、特に低回転域のトルクを重視するのであれば、スーパーチャージャーも選択肢の1つです。ただし、スーパーチャージャーは高回転域の伸びという意味で不利なことと、一般的にターボよりも高額になる点がデメリットです。 

ただし、どちらにせよアクセルを大きく踏み込んだ際の燃費は、ノーマル状態よりも確実に悪化します。燃費を向上させることが目的なら、過度な加速は控えなければなりません。 

なるべく高年式車を選ぶ

RX-8は前期モデルの発売が2003年と、かなり古いモデルが存在しているため、できるだけ高年式のモデルを選ぶことで燃費が向上する可能性があります。 

ロータリーエンジンは、特殊な構造から劣化しやすいエンジンです。特にアペックスシールと呼ばれるエンジンの気密性を保つ部品が劣化すると、エンジン本来のパワーが発揮できず燃費が悪化します。 

レシプロエンジン車に乗る

RX-8には、現在(2023年執筆時)のところ新モデル登場の予定はありません。どうしてもRX-8の燃費に満足できない場合は、別のレシプロエンジンモデルへの買い替えをおすすめします。 

RX-8と同様のスポーツモデルだと、同じマツダから発売されているロードスターがおすすめです。2名乗車にはなってしまいますが、RX-8以上に軽量なため爽快な走りを楽しめます。現行のマツダ ND型ロードスターのカタログ燃費は、最も燃費の良いグレードで17.2km/L(WLTCモード)です。 

マツダ・RX-8を安く買って高く売るならカババ

RX-8の購入をする際には、一般的な中古車店よりも安いカババがおすすめです。カババは個人売買と同様の仕組みで中間マージンがないため、市場価格より安く購入できます。また、個人売買で問題となる品質の担保や手続きも、カババならプロが代行してくれるので安心です。 

一方で、手持ちのRX-8を売却したい場合も、カババなら高く売れる可能性があります。特にRX-8は特別仕様車など細かくグレードが分かれているため、ピンポイントで欲しい人をマッチングできる個人売買であれば、妥当な価格設定が可能です。 

まとめ

他車種では味わえない、独特のロータリーサウンドが特徴のRX-8。ターボ仕様だった先代のRX-7から自然吸気となったことで、官能的な音をより楽しめるようになりました。 

一方で、燃費性能については、ロータリーエンジンの弱点です。同クラスの他車種と比べると、燃費は決して良いと言えません。しかし、一定の条件下であれば、カタログ燃費以上の実燃費を記録することもあることがわかりました。また、燃費向上の工夫をすることで、他車種との差は縮められます。 

ロータリーエンジンの魅力を感じた方は、ぜひカババでRX-8を探してみてくださいね。 

参考